コンセプト-ある小説から
こんにちは、MoodOrgnムードオルガン高松です。
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まだまだ文章を書く事に慣れず。1本記事を書くのに凄い時間がかかります。そして、内容がわかりにくいかもしれません。笑 と、弱気なスタートですが。そんな弱さがムードオルガンの根っこにある部分かもしれないな、と記事を書きながら再認識しました。今回はムードオルガンのコンセプトについてです。ぜひご一読ください。
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ムードオルガンのコンセプトについて、コンセプト文に出てくる小説を紹介しながら解説できればと思います。
コンセプト文はホームページのAbout に掲載しているのですが、読んでいただいたでしょうか?
【気分 / ムードを変える】
ムードオルガンという名前は、Philip・K・Dick の小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか ?』の冒頭に出てくる装置の名前です。望みの気分にダイヤルを合わせてセットすると、 この装置から送られてくる電流によって自分の気分 / ムードをコントロールすることがで きます。アクセサリーも、自分の気分をコントロールする装置ではないかと思います。
MOOD ORGN のアクセサリーを身につけることで、友達に会うのがより楽しみになったり。 ちょっと背伸びするようなレストランに行ってみようと思えたり。気になるあの人に話し かける勇気が出たり。 そんな気分になってもらえたらとても嬉しいです。そういうものをたくさん作りたいと思っています。
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『アンドロイドは電気羊の夢を見るか ?』はフィリップ・K・ディックが1968年に発表したSF小説。映画『ブレードランナー』の原作としても有名です。
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大まかなストーリーは、
第三次大戦によって放射能に汚染され廃墟のようになった地球が舞台。大半の人類は既に火星に移住していて、人間と区別のつかないほど精巧なアンドロイドが植民奴隷として働かされています。地球では多くの生き物が絶滅し稀少になっているため、本物の動物を所有する事(ペットを飼うこと)が1つのステータスとなっています。
主人公デッカードは以前飼っていた羊が死んでしまい、その事を周囲の住民に知られないように人口の電気羊とすり替えて飼っています。
そんな中で、火星から8人の奴隷アンドロイドが地球に逃亡してきます。その8人には莫大な懸賞金がかけられています。本物の動物を手に入れるため、デッカードはアンドロイド狩りの仕事を引き受けるのですが、人と区別のつかないアンドロイドを殺す、破壊することに葛藤を覚え始めます。
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ムードオルガンという装置はこの小説の冒頭1行目、最初は目覚まし時計のような物として描かれています。
『ベッドわきの情調オルガンから、アラームが送ってきた陽気な弱いサージ電流で、リック・デッカードは目をさました。』
情調オルガン、ふりがなでムードオルガンと書かれています。この装置の外形は詳しくは書かれていません。身体と装置をつないで、3ケタの数字をダイヤルします。数字はそれぞれ感情とか気分に対応していて、電流を身体に送ることで自分自身を強制的にダイヤルした気分にすることができます。
例えばこんなものが登場します。
『ナンバー481。あたしの未来に開かれている多用な可能性の認識。そして新しい希望—』
『888をダイヤルすればいい—どんな番組であっても、テレビを見たくなる欲求だ』
『そして、彼女のコンソールで594—すべての問題における夫のすぐれた判断を快く需要する態度—をダイヤルした。』
結構具体的です。3ケタで足りるのかな?と思ったりもしますが。笑
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デッカードはこの時代の中でも地球に残された側の人間です。経済的に本物の動物が買えません。職業は賞金稼ぎ、日雇い労働者のようなイメージで、社会的な地位は低い人物です。デッカード本人も自身の生活環境を憂い、隣人に嫉妬するシーンも描かれています。外の空気には放射性物質が混じり、近隣のほとんどの住居が空っぽです。
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仲間も経済力も無く、健康さえも脅かされている、そんな世界で暮らすのはどんなに憂鬱な事だろうと思います。ムードオルガンはそんな憂鬱な気分を一時的にでも楽にしてくれる、そんな装置として機能しています。
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そもそもSFなので、時代も状況も違いますが。私たちには気分が落込んだり、ストレスが溜まったり、今日は頑張らなきゃいけないと気合いを入れなきゃいけない時がたくさんあります。
そんな時、美味しいご飯を食べたり、お気に入りの洋服を着たり、本を読んだり音楽を聞いたり。人それぞれの方法で気分をダイヤルしています。
中でもファッションで気分を変える、変わる人は多いのではないかなと思います。襟の綺麗なシャツを来て気持ちがシャンとする。ルーズなパンツで気持ちをゆったりさせる。真っ赤な口紅でちょっと強気になれる。
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今の自分の気分に対して、外から何かを取り入れる事で自分の気分をコントロールしていく。
自分のものづくりを改めて考えた時、自分の作ったもので一瞬でも人の気分を支える事ができたりするような物が作れたらいいなと思っています。
人の気分を切換える装置としてのアクセサリー。
そんな意味を込めてMoodOrgn ムードオルガンという名前をつけました。
アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))
- 作者: フィリップ・K・ディック,カバーデザイン:土井宏明(ポジトロン),浅倉久志
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1977/03/01
- メディア: 文庫
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